うつくしさ

学生時代個展をさせてもらった千駄木空間というギャラリーでwebサイトをリニューアルするとのことで、撮影を依頼してもらいました。

撮影前に時間を頂いて、ギャラリーの改築をした中西道也さんのご自宅を撮影。

ギャラリーが入っているアパートの屋上にある中西さんの自宅はいつ行っても気持ちのいい風が吹き抜け、細長い船のようなワンルームに物ものモノが積み重なっています。

いつおじゃましてもごちゃごちゃという印象の部屋で「好きにやってよ」という中西さんの出かけたあと、一人でレンズをのぞいていたら急に きれい という感覚が湧いてきました。

違和感を感じたのは普段とちがって頭ではきれいな物を見ているつもりがないのに きれい という感覚だけが突然浮かんだからです。

最近片付けをしたという室内は、確かに整頓されて入ったときにもすごく片付いているなと感じたのですが、それとは全く違う きれい という感覚を感じて不思議に思い何度もレンズをのぞきました。

その美しさはきっと人間の美しさのようなものだったのだとおもいます。

一人の人間が、一つの空間を自分の好きなように、暮らしやすいように作りかえて、必要なものを買い、面白いと思ったものを拾い、かっこいいとおもったものを吊るし、気になる物を捨てられずに積み重ねて、気に入った物を汚れるまで使っていったら、アンティークで揃えたカフェや清掃の行き届いたホテルとは比べられないような、人間の人生の様な、生きた美しさが勝手に住みつくのかもしれません。

私は明日気に入った訳ではない棚を買い、全く合わない作業台の横に置くかも知れないけれど、今日初めて見た美しさに、今は感動しています。